一日一発見
<< September 2013 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

想定内ではないこと

現場がすすんでいくと、想定内でおさまることもあれば、想定内で収まらないこともおきます。もちろんすべて想定内で収まるのが理想ですが建築は自然のなかに作り上げる人工物なのでなかなかゼロにすることはできません。

しかし僕はこの「想定内でおさまらないこと」というハプニングが結構好きです。経験を積めば読めたかもしれない問題などが露見しちゃった場合です。問題という形をして自分の伸びシロが目の前にある訳ですから、解決しちゃえばいいんです。簡単に解決出来ない事もありますが、「解決出来るんだ!」と思っていると解決出来ちゃうものです。人間の脳みそはこういうストレス下におかれると真価を発揮するんですね。

また別の意味で「想定内でおさまらないこと」もあります。
それは図面上で考えていた通りにつくってしまうと、ちょっとダサいなと感じる時です。こっちの場合のほうが解決するのが大変です。なんというか自分のプライドみたいなものとの折り合いをつけつつ、自分で提案しながら自分でダメ出しするような作業なので右手と左手でじゃんけんしているような。

こういう時はとにかくスケッチを描きまくります。何度も何度も書いていると徐々に自分の感覚に折り合いをつけつつ、これならいいな!というところにたどりつきます。どれだけ時間がかかるかは未知数ですが。

建築はこういった考えた時間がその後図面となり、自分たちの貯金になる点がいいところですね。

にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ
7m先の2cmにこだわる

とびだす住宅の現場順調に進んでいます。
外壁はガルバリウムですが、部分的に黒と白を貼り分けることによって建物全体のイメージをシャープにしようとしています。また建物の端部(コーナー部分や壁の一番上の部分など)の納まりをすっきりみせたいと考えているので、そういった端部の納まりも現場で現場監督と職人さんと相談しながら決めていきます。

機能的(雨仕舞)なことを考えるとどうしても野暮ったくなってしまう場所として壁の頂部があります。建築用語では「笠木」または「唐草」といいますが、その折り返す長さを少なくした方がすっきり見えます。

具体的には上の写真の一番上の部分です(これは唐草といいます)な〜〜んにも考えない人だとただ単に下に7センチ程折り曲げますがそれではダサい。なので僕の場合は手前に2センチ飛び出して折り返し、その後下方向に3センチ折り下げます。

このようにすることによって手前に飛び出して折り返した部分の影が建物頂部にでき、また折り下げた部分も短いのですっきりきれいにみえます。(なんて込み入った建築の話しでしょうか・・・)このような地上から見ると7M先の2センチにこだわることによって建物全体の質感がぐっとよくなります。

仕上だけ高価なものを使えばいいのではなく、やはり端部の処理が全体のクオリティを決定するのは洋服と似ています。同じようなナイロンでつくった鞄やジャケットでも価格に差が生まれるのは縫製の良さや、そのブランドが築き上げてきた高いクオリティにたいする信用感からだと思っています。

地味なことですが、こういうことにこだわっていきたい。

にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ

三人寄らば文殊の知恵

とびだす住宅の現場順調です。隔週で現場定例会を開いていますが、その時には現場監督、棟梁、電気設備、給排水設備の方達と打ち合わせをし、その後お施主様と打合せをします。

今回の住宅は空間の作り方もさることながら、内部仕上をすべて構造用合板で行なうので下準備がとても大切です。通常の住宅の場合だと下地があってその上に仕上(クロスや左官仕上やフローリングなど)がありますが、今回は下地がそのまま仕上になるのであらかじめいろいろな取り合いをきめておかないといけません。

現場が始まるとぼくは設計監理者という立場になり、現場は図面通りにできているかをチェックします。現場の納まりや発注、職人さんの手配、調整等は現場監督が行ないます。設計者が実際に手を動かして建築を作ることはできず、最終的には職人さんたちが気持ちよくスケジュール上むりがないように配慮しなければいけませんが、それは設計監理者のぼくと現場監督のチームワークが大変重要です。

設計者がデザイン上こうしたいな!ということを現場監督と職人さん達と持てる知識を出し合いフラットな関係で作り上げていきます。そういうやりとりの時間が現場を見ている中で一番楽しい時間です。

壁の仕上はガルバリウム鋼板にしましたが、これも原寸のサンプルをつくってもらい、実際に建物の壁にあわせてけっていします。今回は白と黒の2色を使用します。

屋根の下にもほぼ出来上がっていました。お施主など一般の人はあまりこだわらないことですが、雨樋をみせるのがいやなので、とびだす部分の屋根はちょっとこだわっています。(当然現場作業はめんどくさくなるので、職人さんのモチベーションをあげながら・・・)この写真だけではなんのことだか全く分からないかと思いますが、出来上がったら今ここでめんどくさいことをしている意味がわかるようになります。

にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ