今改装中の旅館は館内が基本的に全面的に禁煙です。僕自身タバコをすうので悲しいのですが、これは致し方ない。
しかし2階に唯一館内で喫煙が出来るスペースがあります。今回の写真はその部屋から庭を眺めたところです。今回昔の旅籠を改修するにあたっていろいろと実測したり、取り壊したあとの壁の下地からむかしの面影を感じる機会が多々あります。
近年増築された部分は、解体したあとも「力のある空間」の場合と、「力のない空間」の場合と大きく分かれます。
「力のある空間」の場合はかつて大昔にこの建物を設計し、施工した棟梁達がどういうことをしたかったかが、読み取れる「なるほど、なるほど」の空間になっていることが多いです。こういったなるほど感は時代を超えて伝わるもので、設計者でなくとも、この旅館にきたお客さんにも自然に伝わるものだと思います。
逆に「力のない空間」時代の変化によって必要となったものを無理矢理増築した部分(トイレ、風呂など)に多く見られ、「しょうがなかったねぇ」と当時の設計者の苦労を共有する様な「むりやり説得される」感じがあります。
つまり
「力のある空間」→「納得感」
「力のない空間」→「説得感」
の違いですね。
これは現在の仕事におけるプレゼンテーションにも言えていて、
「力のあるプレゼンテーション」→「納得感」
「力のないプレゼンテーション」→「説得感」
時代は移り変わっても、「説得」ではなく「納得」なんだと感じています。
さて、今回の改修工事はちゃんと「納得」の改修になっているのか?これは現在猛烈な勢いで現場が進んでいる中、自問自答しています。
評価するのはここに宿泊に訪れたお客様達。今からドキドキですが、アクセルを全開にした状態でこの現場に携わっています。
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