一日一発見
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「力のある空間」と「納得感」
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今改装中の旅館は館内が基本的に全面的に禁煙です。僕自身タバコをすうので悲しいのですが、これは致し方ない。

しかし2階に唯一館内で喫煙が出来るスペースがあります。今回の写真はその部屋から庭を眺めたところです。今回昔の旅籠を改修するにあたっていろいろと実測したり、取り壊したあとの壁の下地からむかしの面影を感じる機会が多々あります。

近年増築された部分は、解体したあとも「力のある空間」の場合と、「力のない空間」の場合と大きく分かれます。

「力のある空間」の場合はかつて大昔にこの建物を設計し、施工した棟梁達がどういうことをしたかったかが、読み取れる「なるほど、なるほど」の空間になっていることが多いです。こういったなるほど感は時代を超えて伝わるもので、設計者でなくとも、この旅館にきたお客さんにも自然に伝わるものだと思います。

逆に「力のない空間」時代の変化によって必要となったものを無理矢理増築した部分(トイレ、風呂など)に多く見られ、「しょうがなかったねぇ」と当時の設計者の苦労を共有する様な「むりやり説得される」感じがあります。

つまり
「力のある空間」→「納得感」
「力のない空間」→「説得感」
の違いですね。

これは現在の仕事におけるプレゼンテーションにも言えていて、
「力のあるプレゼンテーション」→「納得感」
「力のないプレゼンテーション」→「説得感」

時代は移り変わっても、「説得」ではなく「納得」なんだと感じています。
さて、今回の改修工事はちゃんと「納得」の改修になっているのか?これは現在猛烈な勢いで現場が進んでいる中、自問自答しています。

評価するのはここに宿泊に訪れたお客様達。今からドキドキですが、アクセルを全開にした状態でこの現場に携わっています。


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雨漏りの原因
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今改修中の旅館は雨漏りがします。(いばって言うことではありませんが)原因は30年程前に増築した部分と、もっと昔からあった部分との屋根の取り合いの悪さからです。

写真がその部分。雨が下側の瓦の上の部分に吹き込んだりすると、その先の壁の部分の防水の立ち上がりがないため、壁をつたって、室内の廊下の部分に雨漏りするようになってしまっています。

これじゃあまずいので、一度瓦を全部取り払って、瓦の下の木の部分も一度全部取り払いました。
室内から見ると梁としかない状態までにした後、
垂木を新設し、
構造用合板をはり、
その上に防水シート(写真の緑のもの)をはり、
瓦止めを設置し
瓦の設置

までやる予定です。


瓦を載せる住宅の設計というもの自体最近大変少なくなっているので、瓦屋さんが作業をしているのをみるのはいろいろと勉強になることが多いです。


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旅館 食事スペース
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旅館の食事スペースです。10帖間を3部屋ぶちぬいて、1室とし、耐震補強をして大空間を作り上げています。

耐震補強をするにあたって、大きな空間の中に、モノコックな構造(一体となった堅固な構造)を入れ込んでいます。具体的には写真左側の「床-壁-天井」の部分ですが、この部分を構造的な柱、梁、土台を新設し、その構造材を繋げるように構造用合板を貼って固めています。

食事エリアは床をすべて無垢のフローリングとし、全面床暖房を敷き込んでいきます。どの位置に補強の柱をいれるか?や壁の幅はどの程度にするかなどが、現場の棟梁と相談し、経験と知識の組み合わせで検討しています。

建物自体が古いので、構造計算をしても計算どおりにならない部分も多く、そういった当たりは現場の棟梁の経験にゆだねる部分が多く、どういったフレームで全体を持たせるか?といった構造的コンセプトは設計者サイドで提案してつくりあげています。

写真正面には幅5Mのオープンキッチンはでき、その後ろの壁には水槽をはめ込み、壁の仕上は杉の板張りを黒く塗装する計画です。

水槽の高さは400mmでその高さと同じ高さでベンガラ色の左官でアクセントをつける予定です。


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こだわりの庇
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昨日書いた住宅の屋根と壁の納まりです。

通常はこの壁と屋根の納まりの部分はゴテゴテとした金物がついたり、板金もまどろっこしく加工したものがつきます。それは「壁」と「屋根」という役割の違うのもが取合うためにおこる納まり上の難しさにあります。

「壁」と「屋根」の取り合いに求められる機能

1.壁の素材と屋根の素材が立体的に一体的になること

2.雨の進入がないこと(当然)

3.風の強い日に雨の吹き上げによって、下方向からの雨水が浸入しないこと

4.屋根をつたわっておりてきた雨水が外壁面に垂れないこと(汚れの原因)


上記の機能を満たしつつ、シンプルにみえるような納まりを考えました。写真はその下地加工です。写真の様な構造用合板を150mmほど持ち出し、それを下側から金物で固定しています。

雨樋はこの2階のレベルには取付けず、1階の下屋の部分で受け、その下屋に雨樋を設ける予定です。雨がガルバリウムの屋根に直接落ちるとバタバタうるさい音を出すので、下屋の部分の屋根の仕上はスレート版にし、音がなるべく発生しないようにします。

下から見るとこのようになっています。
ガルバリウムをこの小さな庇の部分の下部に貼り込んでいった時に、下面がフラットになるように、金物を取付けるのも丁寧に金物の厚さ分大工さんに加工してもらって取付けてもらっています。


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光あふれる住宅
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愛知県で現場がすすんでいる住宅です。

敷地北側に道路があり、道路面は最低限の窓しかあけず、シンプルなファサードにしています。2階部分は出窓と、収納が一体となった「横長出窓収納」がアクセントとして建物からでっぱった形をしています。

道路面からは閉鎖的な住宅に見えますが、住宅内部は光があふれる様な仕掛けをしています。

外壁はガルバリウムの一文字葺きで仕上げる計画になっていなすが、現在板金屋さんといろいろな原寸おさまりのサンプルをつくってもらっています。壁の出隅の部分や、板金と板金のジョイント部分、板金と庇の取り合い等

「こだわって詳細をデザインすることによって、逆にそういったこだわったデザインが目立たないように」試行錯誤しています。

こういう試行錯誤する回数が多い程、そしてしつこく考え続けることで、徐々に目指しているところにたどり着いていることを実感しています。



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夢の敷地
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先日新しい敷地を見てきました。

場所は目の前に太平洋が広がる高台。海に向かっての斜面もすべて敷地内のすばらしい敷地です。こういった敷地に出会うのは本当に稀なことで、色々な創造が膨らんできました。

この敷地で新しいことをやりたいお方と、ここにエントランス作って、階段でおりていくようにして、その先に結婚式も出来るような場所を作ってと夢を聞き込んできました。

クライアントの中にある夢をヒアリングし、そして敷地自体がもっているポテンシャルを最大限発揮出来る様な配置計画や建築のデザインをしてと、この最初のインスピレーションを得る時期が重要な時です。

インスピレーションをもとに、それを現実に落し込み、予算を調整し、現場をおさめていく。その仮定でいろいろな問題も起きることでしょう。そかしそういった問題もクリア出来ない問題から、自分たちでクリアできる大きさに分解していけばいいとおもっています。

そしてそういった問題を分解することも設計事務所がやるべきことのひとつだと考えています。

それにしても楽しみ


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おいしい上棟式
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 先日鎌倉で上棟式はありました。

当日はクライアントの奥様の手作りの料理でおもてなしして頂きました。

職業柄かなりの数の上棟式に出席させていただきましたが、ちょうどおじょうさんが奥様のお手伝いをできる年頃でというのは初めてで、小さいながら色々とお手伝いをしている様子が大変かわいらしかったです。

話しに聞くとその後、現場の棟梁はそのお嬢さんからこれまた心の温かくなるお手紙をもらったようで、そのことを嬉しそうに話していたようです。(ちょっとうらやましい)

確かに子供にとって家を実際につくっていく大工さんは「魔法使い」みたいな感じにみえるのかもしれませんね。


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艶(つや)のある靴
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先日文字通り艶のある靴を購入しました。ひとめぼれ

この黒っぽくも青っぽくもみえる表面のテクスチャーにやられました。建築の仕事は結構固い素材を使って、かちっと動かないものがおおいのですが、服飾系のこういった素材の使い方や素材同士のつなぎ目の処理の仕方等参考に(一体何に?)、新たな気付きをもらえるものとして(ただの自己正当化)日々勉強しています。(ただの買い物好き)

さらに面白いことにこの靴の足裏のパターン(というのかな?)の図柄が秀逸です。この靴を履いている僕に出会ったらぜひ問いかけてみて下さい。喜んでお見せします。


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頭の柔らかい大工さん
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先日上棟式に行ってきました。何人もの顔見知りの大工さんがいる中で、仕事が早くて丁寧で、頭のやわらかい大工さんもいました。

建て方(上棟)をやっている最中なので邪魔にならないところで現場を見ていたのですが、ふと1階の片隅に誰かの道具が置いてあるので近寄ってみると上のようなと〜〜ってもリラックスした調子で名前の書いてあるインパクトレンチのボックスが・・・

頭の柔らかい大工さんは名前の書き方も柔らかいようです。


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旅館 Before & After 食堂
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今改装中の旅館の食堂エリアです。

もともとは10帖間が3部屋続いていたのですが、それらのしきりをすべて取払い、空間を一体化させ、構造的な補強をかねて、床に段差を設ける予定です。

畳をはがし、床の土台等も取り払うと今まで見えなかったこの建物の歴史が見えてきました。思いがけない位置にきれいな石積みがでてきました。棟梁の話しでは昔はその部分にも出入り口があり、その出入り口の框の部分の下部の石積みだそうです。(写真右奥)


壁を取り払った後の写真です。食堂のどこからも中庭がみえるように設計しています。

天井は古い梁だけ見せるようにして、天井面で構造的な補強を施すように計画しています。


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