今まで小規模の建物の計画にしか携わったことがなく、
それぞれの建物に雨樋は何本必要か、
あまり深く考えたことがなく、いつも判断してもらっていたので、
ブログを機に調べてみようと思いました。
屋根の形にもよるのですが、
雨樋を計画する際、
?屋根投影面積
?管の太さ
?水勾配
のそれぞれの数値で必要な本数等が変わってきます。
管の太さが太かったり水勾配が大きいほど、もちろん本数は減るのですが、
見た目に影響するかもしれないので、配慮が必要です。
また、全部のメーカーではありませんが、
数値を入力するだけで、
「これくらい必要だよ」と本数を出してくれるところがあるので、検証に役に立ちます。
それを使って、早速今計画している
片流れ屋根で26m×4.5m(117?)の建物の検証を75 Φのたて樋で検証してみました…!
117?の面積に比例して、雨樋は6本必要でした。
雨樋の機能は雨水がたまらないように地面に流すことでどこのメーカーでも同じですが、
TTAAではよく
「タニタハウジングウェア(Tanita Housing Ware)」という会社の雨樋製品(HACO/H6)を使用しています。
形がシンプルでありながらも雨水を流すという機能がちゃんと備っているので、おすすめです。
ご参考になれると幸いです!
ただ、汗をかいた後に外気を感じれる場所で涼むという体験は多くの人が共通して「気持ちいい」と感じます。
この体験を設計の軸にして進めると、気持ちいいサウナの設計がしやすいです。
また、サウナに入ったことがない人はサウナの設計は出来ないどころか、気持ちいいサウナは作れません。
入ったことがない人は最低2つ、今すぐにでも入りに行ってきてください。
(最低2つと書いたのは比較をしてほしいためです。1つ入っただけでは他と比較が出来ず、考えが固まりやすくなってしまいます。)
基本的なサウナの入り方、使い方や過ごし方を理解することが「気持ちいいサウナ」を設計する上で何よりも必要なことです。
「こうでなければならない」という空間の在り方を作るよりも、色んな過ごし方が想定できるほうがいいと思います。
実際に作ってみて使用した経験をもとに、
?必ずなければいけないもの
?次回作るならこうしたほうがいい
?まとめ
の3つでまとめてみようと思います。
?必ずなければいけないもの
(法規的に必要なものは省略しています)
・サウナヒーター
南房総では2.6畳という広さに対して、8.0kwのものを設置しました。これは能力的に十分だったのではと思っています。ちなみにロウリュは必須です。お施主さんや設計側で「どのくらいの能力がいいか」「どんな形のサウナヒーターがいいか」をヒアリングしながら選定していきます。
・水風呂
南房総では900mm×1110mmの大きさの水風呂をつくりました。(約460ℓ)
1人で入る想定だったので、その場合は丁度いい大きさでした。2人で入るには窮屈です。
足を伸ばしてくつろいで入るというよりかは、肩まで全身浸かれる方を生かしています。お施主さんの要望に合わせて、大きくしたり小さくしたり、深さを変えたり調整すればいいと思います。水栓は浸かった時に体に当たらない、邪魔にならない場所につけるといいです。
・外気浴出来る仕掛け
南房総では浴槽側に窓を設け、全て開放できるようにしました。閉めたい時は全部閉めて、開けたい時は開けるように使い方を入る人によって選べるようにしました。
?次回作るならこうしたほうがいい
・外気浴出来る場所を作る
完全に外に出られる場所があったら良かったと思います。
南房総では半露天風呂です。完全に屋外ではないので、結構暑かったです。窓が対角線上に2つあったりすると風が抜けて良かったのかもしれません。次回作るなら、浴室から直接アクセスでき、屋外で過ごせる場所を作りたいです。視線が外部から遮られていると、特に女性は安心して使用できます。浴室から屋外のデッキに出れるようにドアを設置するとか、別で外気浴用のスペースを作る(坪庭っぽいもの)など、考え方は色々あります。お施主さんの要望や設計側で打ち合わせを重ねながら、決めていけばいいと思います。
↑外を感じられる点は良い。もう少し風が抜けるように考えたりすればもっと良かった。
目隠しがないので全て開けると開放的だが不安でもある。
・サウナのベンチの形を変える
約2.6畳(4.3m2)に幅1000mm×座面550mm×高さ400mmで設置しました。一人で使用するには十分でしたが、2人が幅1000mmのベンチに腰掛けるのは少し窮屈だったかと思います。
長めのベンチ、欲を言えば横になれるくらいのものがあると十分です。不特定多数の人がいるサウナでは横になる行為は避けたほうが良いですが、1棟貸しに付随するプライベートサウナの場合はよりリラックスできるように仕掛けを作ってみてもいいかもしれません。
↑間口が狭いものの奥行きがあり1〜2人で入るには丁度いいサイズ
・水風呂の形を変える
南房総は900mm×1110mmの大きさで作りました。人ひとりが肩まで浸かることができますが、足を伸ばすことは出来ません。お施主さんが求めている大きさを基に、浴室の広さ、使用人数を考慮して大きさや形を進めるといいです。例えば、水風呂内に段差を作り、全身浸かりたい人と半身浴のように浸かりたい人、どっちの使い方も出来るようにするなど。
?まとめ
基本的なサウナの入り方、「サウナ」→「水風呂」→「外気浴」という構成は崩してはいけないので、これらが出来る設備や環境は必ず設けるようにしましょう。
色々なサウナに入り自ら体験することが、「気持ちいいサウナ」を設計する最初のステップです。
サウナで過ごした自分の経験を基に、お施主さんの要望と設計側の意見を考慮しながら設計を進めていきましょう。
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ついこの間まで掘削作業を行なっていた現場も、
気がつけばあっという間に地階の配筋、型枠工事まで着々と進んでいます。
今回の建物は鉄筋コンクリート造(RC造)なので、
その名の通り「鉄筋」と「コンクリート」で出来ています。
引っ張る力に強い「鉄筋」と、圧縮する力に強い「コンクリート」
お互いの良いところが合わさることによって強度が増すのです。
なので、木造や鉄骨造に比べてずっしりとした強い構造です。
鉄筋コンクリート造の工事の順番をとても簡潔に説明すると、
?鉄筋を組み立てる
?型枠を設置する
?コンクリートを流し込む
?固まるまで待つ
今回は「?型枠を設置」について、お話しします。
型枠は、コンクリートを固まらせるときに使う仮設の枠組みです。
ケーキやパンを焼くとき、まだドロドロの状態の生地を丸や四角の型に流し込みますよね。あの型とコンクリートの型枠の役割は一緒です。ケーキやパンも流動性のある生地を成形するのには、型が必要ですが、コンクリートも同じです。
コンクリートの場合は、ただの型を用意するのではなく更に頑丈に固定します。ケーキやパンの生地とは違い、コンクリートは外側に膨らむ力が強いため、型だけだとその力に耐えきれず破損してしまいます。
〜スケッチ〜
そこで「セパレータ」というものを使い、均一な厚みの壁をつくるため両方から一定の力で押さえるようにします。またその上からも、単管パイプで固定していきます。
何枚か重ねて立てかけられているのが、型枠になります。何度も繰り返し使用するので、表面はコンクリートから剥がしやすいツルツルとした仕上げになっています。あの型枠を杉板などで設置しコンクリート流し込むと、木目の柄がついて同じコンクリートでも違う印象になります。
今回はまだ地下1階の床の下の世界なので、見えなくなってしまいますが…これからの上棟が楽しみです。
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先日、配筋検査に行ってきました。
地下の深さもそうですが、木造の現場とはまた違う現場の迫力がありますね。
この日は構造の設計者さんも一緒に、みんなで図面を見ながら
ちゃんと図面で指示した通りに施工されているか確認していきます。
鉄筋は力を受けやすい場所、受けにくい場所によって
「太さ」や「本数」が変わってくるため、大きな荷重を受ける部分を念入りにチェック。
図面の通りに施行されていることは大前提ですが、着工してから変更した部分については、現場で職人さんを含めあれこれ話し合いをしながら解決していきます。
なにやら毛布のようなものが壁に貼られていますが、
これは「防水シート」といって外からじわじわとやってくる水が
建物内に侵入しないようにするためのものです。
ただの布ではなく、「ベントナイト」という粘土を布と布でサンドイッチしています。ベントナイトは水を含むと固まる性質があるので、その特性をうまく生かした工法です。
また、真ん中に見えている細い管ですが、この後の工程で出てくる型枠を固定するために使用します。周囲はこれもまた水が入らないようモルタルで埋めています。
これからさらにどんどんと形になっていく過程を見れるのが楽しみです。
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毎週火曜日定例の現場チェックです。
↑クレーンを使って地下にコンクリートを届けている様子です。
現場は先週から更に急ピッチで進んでいます。
掘削作業が終了し、切梁の解体作業と
『捨てコン』の打設を同時並行で行なっていました。
『捨てコン』とは、
捨てコンクリートの略称です。
『捨て』+『コンクリート』?
不思議な言葉ですが、、
本当に捨てるわけではありませんよ。
捨てコン自体は、建物の床になるものでもなく
建物の強度や耐久性に直接関係するものでもありません。
ですが、作業をする上でとても重要な役割をしています。
そんな捨てコンの主な目的を簡単に2つご紹介します。
その1
地面を平にする
その2
墨出しのため
まず、その1の「地面を平にする」についてですが
人の手で掘られた地面は必ずしも平ではありません。
そこで捨てコンを打設し、凸凹な地面を平にします。
(打設…コンクリートを流し、固めること)
不陸があると、この後の配筋や型枠の作業にも支障が出てきてしまいます。
また、平にすることで配筋を組みやすくなったり
作業のしやすさにも捨てコンは効果があります。
つぎにその2「墨出しのため」について説明します。
「墨出し」とは、建物位置の目印を示してあげることです。
その目印のことを「通り芯」や「基準線」と読んだりします。
何の目印もないまま、建物の位置や柱の間隔、壁の位置などを決めることはできません。
また土の上に書くわけにもいかないので、捨てコンがあれば簡単にその印を描いていくことができます。
図面を描いていく作業に似ていますね。リアルな図面、というイメージです。
今回のテーマ『捨てコン』は、「捨てる」という意味が付いているように本来見えなくなってしまう場所にあるものですが、とても意味のあるものということをご理解いただけましたか?
建築には、表面では見えないところで存在意義を発揮するものが結構あります。というより、ほとんどがそうなのかもしれません。
捨てコンも、また杭なども、建物が建ってしまえば私たちに姿を見せることはありませんが、改めてそういう部分に重要な意味があることを知り、少し考えさせられる1日でした。
]]>計画敷地は28,000?以上もあり、かなり広い敷地でした。
また、より工事がスムーズに進めるように、工事を3期に分けて進めることになったので、
それのための事前準備や敷地計画、計画建物の提案など、いろいろな挑戦がこれから始まりそうです。
そして、今までとは違って、
今回は宿泊施設だけではなく、別荘も作りたいという施主様の意向があったので、
「この町にふさわしい建物とは?」、「通路幅?」など、
その事前準備の一つとして、敷地から車で20分のところにある別荘地へ見学しに行きました。
かなり高低差のあるエリアだったので、少し大変だったのですが、
計画敷地にいたときにみんなで「こうしよう」と話していたことが見学の時に
「やっぱりこうしたほうがいいかも」に変わり、面白くて勉強になりました。
❶敷地内通路幅
最初は敷地を最大限に使おうと、建物を回る敷地内通路幅を必要最小限の4mにするつもりだったのですが、
別荘地の建物はどれでも前面道路が広く確保されていて、
通りやすく、かつ両側の建物も広い前面道路のおかげでより壮観に見えたような感じでした。
❷植栽計画
別荘地のどの建物でも、
道路からワンクッション(植栽)があっての配置計画だったので、
それぞれの高低差を活かし、綺麗に植物が植えられていました。
❸通路計画
最初は真っ直ぐで、もしくはコの字の道を計画敷地内に作ろうという話がありました。
その時は他のアイデアが思いつかなかったので、私も良いと思いましたが、
実際に見学してみると、一本道でありながらも、ぐるりと回れるような道があり、
「無駄なく、こういう道計画もあるんですね!想像が広がりますね」と関係者たちが盛り上がっていました。
個人的にもかなり刺激を受けたので、
道路のことがその日の一番印象に残っている発見だったと言っても過言ではないくらいです。
今度も色々発見ができるといいですね!
そのような部屋があるたびにいつも悩まされているのですが、
どんな制限があるのかを事前に把握することができれ
ばスムーズに作業ができるので、
計画の際に最低限に気をつけないといけないことを
参考図面とともにまとめてみました。
まず、居室とは何かというと、
「居住、作業、娯楽などの目的のために継続的に使用する室」のことであり、
面積によって※採光と換気、排煙の必要面積が変わります。
※採光必要面積に関しては、
同じ居室であっても、病院か診療所によって係数が異なります。
(1/7、1/10、1/20の3種類があります)
例でいうと、
病院の病室(個室)→部屋面積の1/7が採光必要面積
病院の病室以外の居室(受付、事務室、診療室など)→1/10
診療所の居室→1/20
換気と排煙に関しては用途に関係なく、
それぞれの係数が1/20と1/50です。
以上の条件に満たせば問題ありませんが…
木造建築物の無窓居室の場合、該当部屋の主要構造部を耐火か準耐火構造にするほか、
廊下幅や壁紙などにも色々な制限がかかります。
(令第117条〜令第126条まで適用)
主な制限をわかりやすく説明すると、
・廊下幅(取り付けの家具があれば、その先端から壁まで)
→片側居室:1200mm
→両側居室:1600mm
・壁紙
→「不燃」のもの
・排煙区画
→「下り壁H500」、もしくは「下り壁H300+不燃扉」
・自動火災報知器と非常用照明、誘導灯の設置
→耐火構造をしない緩和として「法35条の3、令2国交告第249号」を利用
(寝室は緩和対象外)
・該当部屋の防火被覆
→平12建告第1358号第3
(参考図面の無窓居室は厚さ30mm以上の木材で防火被覆を計画しています)
・該当部屋のダクト等の防火被覆
→開口の面積によって被覆材が変わります
他にも配慮しないといけないことが色々あるのですが、
無窓居室があることがわかった時点で
それに伴う制限に応じて計画しておいたほうが
プロジェクトがスムーズに進むのではないかとまとめてみました。
少しでも参考になれれば幸いです。
第一回の今週は、木造建築の「基礎と土台」についてです。
平面プランの各部屋の形により、基礎の位置を決めていきます。
外壁も内壁も、
基本的には壁があるところの下に基礎(立ち上がり)があります。
基礎の立ち上がりだけ見ても、
どこに部屋があるのか、何となくその建物のレイアウトがわかるので、
初めて実物を見た時、本当に不思議だと思いました!
どこに部屋があるのか、この状態でも何となくわかります。
また、
床下点検やメンテナンスの時に人が通れるように
基礎の立ち上がりに幅が600ぐらいの「人通口」と呼ばれる穴をあけます。
基礎立ち上がりの上に壁があるのが一般的です。
この写真だと、真ん中あたりにある細長いスペースがトイレになる場所です。
必要な配管スペースなども基礎工事の時にあらかじめ入れておきます。(緑のところ)
そして近づいてみると、
立ち上がりにアンカーボルトと呼ばれる細い金属の棒がたくさん入っているのがわかります。
それに合わせて土台を乗せていきます。
基礎に差し込んである細長いのがアンカーボルトです。
他の現場の写真なのですが、このように土台と柱を乗せていきます。
また、シロアリ被害がないように、土台に防蟻処理がされます。
(薬を注入するとこういうふうになります)
基礎の立ち上がりと土台の間に「基礎パッキン」と呼ばれる黒いものを入れます。
これを入れることで床下換気ができるようになります。
以上は「基礎と土台の関係」についてです。
地鎮祭とは何かというと、
「新しく建物を建てる前に行い、工事が無事に終わることと、そこで安全・安心に暮らしていけるように願う儀式」で、参加者は主に御施主さんとその家族、プロジェクトに関わる関係者です。
儀式の流れに関して色々調べてみると、行程が11〜14つあるようですが、今回私が参加した地鎮祭は14個の行程がありました。
【工程表】
閉会まで30分程度です。
初めての地鎮祭だったので、会場をキョロキョロ見て、
神酒と呼ばれるお酒や、山や海、野の幸のお供物、儀式に使う道具などの写真をたくさん撮りました。
【神酒】
それぞれの会社の名前が書いてあります。
【お供え】
山の幸→果物(パイナップル、りんご、みかんなど)
海の幸→海鮮(鯛)
野の幸→野菜(なす、きゅうり、にんじんなど)
【道具と砂山】
左から鋤、鍬、鎌。
この三つの道具を使い
「エイエイエイ」と声を出しながら砂山を崩します。
【会場】
参加した日は雨だったので、テントを張ってもらいました。
真ん中にいるのは神主さんです。
実際に参加してみると、言葉の問題もあって「これはどういう意味?」とわからなかったことがありましたが、会場の雰囲気だったり、使う道具だったり、地鎮祭の進め方など、外国人の私から見れば、全体的にとても日本らしいと思いました。
例えば、
雨に濡れないように張ってもらったテントをはじめ、神主さんの服装、神酒を包む紙など、全てが白だったので、まるで神社にいるような厳かな感じでした。
私の国では、日本とは対照的で白を使うのは葬式だけなので、地鎮祭のようなめでたい儀式では大体赤や金色を使ったりするので、派手なイメージが強いです。
また、地鎮祭の進め方も印象的でした。
行程が14つあったとはいえ、終了まで30〜40分しかかからなかったので、
とても効率よく進められたと思いました。(本当に必要なことだけやる感じでした)
参加者も関係者のみで、とても静かで穏やかな雰囲気でした。
地鎮祭はどんな新築現場でもやる儀式なのですが、
建てる建物規模によって会場の雰囲気なども変わるようだし、
今回見られなかった晴れの日の地鎮祭はどんな感じなのか、
見てみたいと思いました。
本日も、南青山プロジェクトの現場を見てきました。
先週に引き続き、掘削作業を行なっています。
前回見に行った際に埋まっていた例の「杭」ですが、
約2mほど見えてきました。
1ヶ月で約7mまで掘っています。
8月初旬の写真と比べると、変化の具合がよくわかりますね。
8月初旬
9月8日 現在
明日からは徐々に、砕石を敷く作業を始めていくそうです。
進捗状況はブログにて更新出来たらと思います。
さて、この掘削作業ですが
「ユンボ」「バックホーン」「ショベルカー」などと呼ばれる掘削機械で掘っていきます。
掘られた土は地下から地上まで運ばれ、その後トラックに積み別の場所へと搬出されます。この作業を何度も繰り返します。
今回のプロジェクトはいくつかの難関ポイントがあります。
?敷地が狭い
?前面道路(敷地に接している道路)が4mしかない
?敷地に行くまでの道が狭く、またクランクしている為大型重機やトラックが出にくい
などなど
これらを、
「どうやったら安全にスムーズに作業が効率よく出来るか」
施工してくださる皆さんと一緒に知恵を出し合い解決していきます。
そんな現場で見つけた、謎の「白い粉」。
土に何やらあの「白い粉」が大量に撒かれています。
(風で舞い上がっていますね)
みなさん、この「白い粉」は何でしょう?
ヒント「変化」
答え「固化材」でした。
固化材とは、水を多く含んだ泥状の土(以下、泥土)を固まらせる材料のことです。
掘削工事などから大量に発生する泥土は、水を多く含み流動性があるため、運搬する際において取り扱いがとても大変です。
(泥土だと持っていってくれないことがあります。。)
そんなときに「固化材」を使用し泥土と混ぜると、短時間で泥だったものから固形の土へと変化します。
扱いにくかった泥土も、この「固化材」を使えば作業の効率が格段に上がりますね。
写真では風で舞い上がるほどの細かい粉ですが、粒タイプのもあるそうです。
また、今回なぜこんなに泥土が現れたかというと
昨日都心で2度ほど、滝のような雨が降りました。
その強い雨によって、土が泥土へとなってしまったのです。
敷地には全体が雨水でひたひたにならないよう、
ある一箇所に溜まるように対策をしています。
それによって、作業が最小限で済むわけです。
工程通りにスムーズに進むよう、色々な策が練られていたことを
今日現場を見ながら知ることが出来ました。
固化材もそうですが、建築の現場は知恵や経験が集約された場ですね。
日々「なるほど」や驚きの連続です。
以上、白い粉「固化材」についてでした。
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正解は、
「杭の断面」でした。
まず、杭についてですが
RC造は木造や鉄骨造(以下S造)に比べて「重い」です。
なので、何もしないで地面に建てると、どんどん沈んでいきます。
そこで「杭」と呼ばれる棒状のものを予め埋めておき、下から支えさせます。
そんな杭はRC造だけでなく、木造やS造にも使用することがあります。
RC造より軽くても、地盤が弱かったり、高い建物を建てる場合、
同じように徐々に沈んでいってしまうためです。
とても大切なサポート役の「杭」ですが、
敷地では「断面」が見えてしまっていますね。
理由は、「杭」を打ち込んでいく作業にあります。
今回、本当に必要な杭の長さは「6.5m」です。
しかし実際には「12m」もの長さの杭を打ち込んでいます。
「え、6m分、無駄じゃん!」
いえ、決して無駄ではありません。
杭がいてほしい深さというのは、ここになります。
支持層という固い場所に杭が届くことで、杭は力を発揮します。
ですが、この深さに到達するまで、本来の6.5m分だと辿り着けないのです。
なので、余分に6m増やし、確実に届くように長さを伸ばしています。
そして、だんだんと地下を掘っていくと
最初は地面に埋まっていた杭が見えてきます。
掘り進めていくうちに、余分な6m分の杭はもう必要なくなるので切ってしまいます。
その断面が、「謎の穴」なのでした。
以上、ご理解いただけましたか?
建築の現場というのは、様々な知恵が詰まりに詰まっており、
そんな部分に「面白さ」があると思います。
日々の発見とともに、どんな風に出来上がっていくのかを
これからお届けしていきます。
今回わたしは、熊本県上天草市のある現場に来ています。
東京から飛行機、新幹線、ローカル線、フェリーなどを
乗り継いで約4時間。
目の前には雄大な景色が広がり、左手には九州本土とここ天草をつなぐ「天草五橋」のひとつ、「前島橋」が見えます。
2年前、初めての仕事でこのプロジェクトの模型制作に携わりました。
模型を制作するうえで非常に苦労した点が、この現場でも同じように
反映されているようで、改めてものづくりの面白さを感じています。
また自分がつくった模型が実際に職人さん達の手によって建ち上がり、
初めてその中に入った瞬間の感動は一生忘れられません。
わたし自身、自分が関わったプロジェクトの現場を見るのが今回
初めてなので、見るもの全てが新鮮でありとてもワクワクしています。
そんな現場のなかで気づいたこと、なるほど!と感じたことを
ひとつずつ、これからブログにまとめていきたいと思います。
宜しくお願いします。
まずひとつ目です。
写真をご覧ください。
現在現場は「建方」という作業を行っています。
「建方」とは建築物の主要な構造材を組み立てることです。
鉄骨がこのようにきれいに組み上がっていますが、
「色」に注目していただくと「赤」と「銀」の2色で
構成されているのがわかると思います。
では、ここで問題です。
なぜ鉄骨の色が「赤」と「銀」の2つに分かれているのでしょうか?
「全部赤もしくは銀で統一しても良いんじゃないの?」
「全部一緒の方が面倒くさくないじゃん」
そう思うかもしれませんが、ちゃんと明確な理由があり
このようになっているのです。
さあ、なぜでしょうか?
ヒントは「銀」の鉄骨が建っている「場所」です。
答え合わせです。
正解は…
「銀の鉄骨が建っている場所は外だから」
???
では「赤」と「銀」に関する2つのポイント
?場所
?鉄の性質
をご説明します。
まず1つ目のポイント。
「銀」の鉄骨がある場所というのは外部の室外機置き場で、
外壁が縦格子状のルーバーになっています。
なので、「銀」の鉄骨は雨・風をダイレクトに受けます。
また逆に「赤」の鉄骨が建つ場所というのは内部、室内であり
その上に外壁や屋根があるため雨や風にさらされる心配はありません。
ここで2つ目のポイント。
鉄骨は名前の通り、「鉄」で出来ています。
鉄は水や酸素に触れると錆びます。
建物を支えるうえで重要な役割を担う柱や梁などが本来持つ強い力、
錆びてくることによって当然ながらその力は弱くなってきてしまいます。
そんなやっかいな「錆び」を防ぐために、
鉄骨に錆止めの塗料というものを塗っていくのです。
「赤」は室内であるため、通常の錆止め塗料で十分ですが
「銀」は外部なのでそれ以上のものが必要になります。
そこで「銀」の鉄骨には「溶融亜鉛メッキ」という仕上げを施しています。
「溶融亜鉛メッキ」というのは、わかりやすく言うと
溶かした亜鉛の薄い膜を鉄骨に被せ包むことです。
メッキは表面処理の一種で、材料の表面に金属の薄い膜を被覆することを指します。
鉄の代わりに亜鉛が錆び、保護してくれているのです。面白いですね。
なので、まとめると…
" 外部と内部によって錆びる具合が異なるため
「赤」と「銀」の2色で錆びを防ぐ構成となっていた "
となります。
時と場合により同じ部材でも異なる仕上げがあるのは、
今後設計する際の知識として非常に良かったです。
そういった目で改めてあたりを見渡すと、新たな気づきも増えてくると思います。
以上、鉄骨の色編でした。
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前回はコンクリート打設についてでしたが、今回はその前段階の鉄筋の配筋検査
についてお伝えします。
鉄筋は最終的にコンクリートの中に隠れてしまい、
基礎完成時には見えなくなってしまいますが、
建物の土台となる部分なので心配ですよね。
でもちゃんと検査をして記録をとってあるので安心です。
チェックする内容は鉄筋が鉄筋の太さ、本数や間隔がちゃんと図面通りになっているかです。
鉄筋の太さ、本数や間隔は設計の段階で構造設計者が計算しているんです。
鉄筋を組んだ後は、コンクリートを流す為に木の型枠を配置していきます。
かぶり厚さとは鉄筋からコンクリート表面までの距離の事を言いますが、
場所によってかぶり厚さの規定は違いますが、写真のドーナツの形をしたスペーサーを使って
かぶり厚さを確保していきます。
このドーナツは大きさによって色が決められているので、検査の時も一目瞭然なんです!
次回は鉄骨検査です!
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先日はH市の地中梁の基礎コンクリート現場試験でした。
凄い勢いで打設していっています。
ポンプを操作し流し込み、同時にバイブレーションで締め固めていきます。
これは気泡があるとコンクリートが十分な強度を発揮できないので、
気泡を取り除く為に行います。
山のようなものは、コンクリートの流動性を数値化する試験でスランプ試験と言います。
筒に実際に現場で打設しているコンクリートを詰め、抜き取ります。
一般的なスランプ値は15cm〜18cmですが、17.0cmなので合格です。
緩いとどんどん流せるので施工性は良いですが、骨材が分離したりクラックが生じ、
強度が低下につながります。
固いと中に入っていかないので、施工性が悪いです。
次は空気量試験です。
普通コンクリートは空気量が4.5±1.5%と規定がありますが、今回は4.5%なので合格です。
最後に塩化物含試験です。
なぜ塩化物量を計測するかというと、鉄筋が入っているからです
塩化物が多く含んだコンクリートだと鉄筋が錆が発生しやすくなるからです。
カンタブという試験紙を使用して測ります。
12本の筒は4週間後に機械を使って破壊して強度を測ります。
なぜ4週間後かというと、材齢28日においての強度が
管理強度以上になっている事が決められているからです。
コンクリートの打設の最後は手作業で鉄筋についた余分なコンクリートをブラシでこすって落として、
丁寧にコテを使って表面を平らに仕上げて出来上がりです。
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