最初のプレゼンが終わり、お施主様も自分たちの家がだんだん想像できるようになり、ご要望も具体的に細かくなっていきます。
それらをふまえて詳細設計をし、かつ全体として整合性がとれているように試行錯誤します。機能や納まりも配慮しながらこの住宅のためだけに思いをこめてスケッチを書いたりします。
模型写真をとってその上にかき込んだり、内部の梁の見え方をコントロールするために色鉛筆で塗ってみたり・・・ありとあらゆることをやってみます。この試行錯誤をたくさんやっているポイントは現場に入ってもスムーズにいきます。新しいことをやろうと、いつも考えているので、常に考え続ける必要がありますが、その日々の積み重ねしか前にすすめないのでやりつづけています。
むかしロンドンの設計事務所で働いていた時の印象的なこととして、ボスはいつも右のほっぺたが黒っぽく汚れていました。
なんでだろうか?とおもって観察していると、彼は鉛筆でスケッチを何度も書き、右手の腹の部分が描いたスケッチをこすりよごれ、その手でほおづえをついて考えことをするので、自分のほっぺたが汚れていました。つまりほっぺのよごれが思考の積み重ねの証のようになっていたわけです。前を走る先輩達は沢山いますね。