一日一発見
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左官仕上あれこれ

湖畔の別荘は外壁、室内の壁等左官仕上です。大きな壁面を左官で仕上げてもらうために実際に施工する前の打合せが重要です。

今回は現場で左官仕上のサンプルを作ってもらいました。実際には職人さんが手でやることなのでカタログにある仕上Aと仕上Bの間ぐらい、というオーダーも腕のいい職人さんなら対応可能です。
少し見にくいですが、左側の方が小さめの骨材、右側が大きめの骨材です。この大きさが違うことで仕上面の小さな凸凹の雰囲気が変わります。

こうやって実際におおきな面のサンプルを作ってもらい決定します。こういうときはいろいろサンプルを作ってもらっても、最初に決めていたものに落ち着くことが多いです。はやく仕上が完成するのが楽しみです。

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現場で仕上の最終確認

湖畔の別荘も佳境にかかっています。その前段階として仕上の最終確認を「現場」でしました。この現場でやるということが重要です。事務所やクライアントの住宅の中だとどうしても色の感じが違って見えるので現場で最終確認してもらうことにはこだわっています。

右側がエントランスの床の大理石のサンプル、左側は外部仕上の木製部のサンプルとフローリングのサンプルです。

ここに至る前段階として事務所でサンプルを多数入手します。
これは外部のデッキ材のサンプルです。同じ樹種でもメーカーによって多少色がちがいます。また木は経年変化によって色がかわるのでそのこともあらかじめご説明します。

断面をみても色々違いますね。厚さや幅など総合的にかんがえて設計段階で選びますが、図面に文字で書いてあるものをちゃんと眼で確認することは重要です。


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湖畔の別荘 下地工程

柱、梁、構造用合板などの施工が終わり外壁の下地工事がはじまりつつあります。写真中央部に4本の鉄骨下地がありますがこれは玄関庇の下地です。建物とのバランスをとるため庇の出は1.5Mほどあるため必要となります。

現場で見かけたおもしろい道具
ぱっと見はキッチン道具にも見えますね。(ミキサーやパンなどをこねる道具)

職人さんに聞いたところこの道具の名前は「自在ホルソー」というそうです。
天井に設置するダウンライトの下穴や吸排気口をプラスターボードに開けるための道具です。中心のドリルで壁面に固定し、半径の長さを設定した業務用のカッター刃がまわって綺麗な円をくりぬきます。

穴をあけるだけの道具は何度も見たことがありますが、この道具は切った時のプラスターボードの粉が飛び散らない様なフードがついている点が特殊です。

こういう道具を使った方が現場がよごれないのでいいですね。職人さん同士の配慮ですね。

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湖畔の別荘 庇

この建物は別荘地にあるため、形や色にかんしての規制があります。色に関してはあまり刺激的な色(赤や青等の原色)を使ってはいけなくいわゆる「アースカラー」なら大丈夫です。茶色〜ベージュはいいのですが、「真っ白」はNG。

形に関しては屋根がフラットはNG(つまり遠くから見て白いボックスのようにみえる建物はNG)なのでこの別荘は片流れの緩やかな屋根にしています。遠くから見て全体のシルエットが美しく、そして夏場の日射を遮るように約1Mの庇を出しています。

庇の厚みもあまりぶあついて「もったり」してよくないので、極力薄く建物全体とのバランスをとって決めています。

現場がすすみ仕上がってきたときの写真です。軒裏は杉板をはりクリア塗装を施します。破風(はふ、写真黒い部分)は建物全周にわたって同じ幅でぐるっと回るように寸法を決めています。

この写真の真ん中の「V字」のジョイント部分の板の貼り方。大工さんの苦労の証です。ばちっと綺麗にラインがとおって施工されています。設計者なので施工するのに苦労する点やうまくやらないと綺麗に出来ない所というのは分かっているので、こういう施工をみたらかならず大工さんを絶賛するようにしています。かれらの「腕」がないとぼくらの図面は絵に描いた餅ですからね。

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湖畔の別荘 大開口

現場が順調に進んでいます。
しかし、大きい・・・大工さんが4人で現場を進めてくれていますが、建物自体が大きいのと建物が複雑な角度で平面的につながっているのでその取り合い部分に時間がかかっています。

写真は別荘南面に開けた吹抜け+大開口です。この部分だけは木製建具で製作する予定です。

見下ろすとこんな感じになっています。
コーナーの部分は丸柱を使用し、木製建具はその外側に取り付きます。別荘地なので現場でトンカチしていい時間も限られ、土日や盆休み期間は現場はストップします。
そんななかでも大工さん達は本当に汗水たらしながらがんばってくれています。

現在は現場にて外壁の左官のサンプルを取り、その色決めの準備やフローリング建具、家具の詳細をつめだりと最終決定する準備をしています。

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いざ上棟

湖畔の別荘もいよいよ上棟です。ここからがたのしいたのしい現場の時間です。

全体を撮るためにかなり引いて写真をとっていますがこの別荘かなり大きい(大きく見える)です。

上棟式にむけて棟梁が棟飾りを組み立てています。東三河地方では上棟式の時に「お米」「塩」「お酒(日本酒)」のほかに5円玉を12枚お施主様に用意してもらいます。

「お米」「塩」「お酒」は建物の4隅にまき、5円玉は上棟式後、その土地の神社またはお施主様と縁のある神社に奉納してもらいます。

この写真に写っている入り隅の丸太柱の部分、梁の受けの部分にこの建物のディテールでこだわったことが凝縮されています。左側の梁が飛び出しているのはこのあとの現場進行に従ってきれいに切り落とされます。

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浮いたデザインの基礎コンクリート部分

地盤改良の鋼管杭工事もおわりいよいよ基礎工事の始まりです。
写真の小さく丸鋳物が見えるのが鋼管杭の頭の部分です。

重機によって入らない部分の土をすき取り基礎の配筋工事、型枠の建て込み、コンクリート打設を行ないます。

コンクリートが凝固し型枠を取り外した状態の基礎部分です。今回は地盤面よりかなり基礎を上げたのでそのままコンクリートを立ち上げると間抜けなので、基礎の下部を写真のようにスラブをキャンティで飛び出させ、建物全体が地面から浮いているようになるようにしました。

最終的には地面の部分に白っぽい砂利を敷き詰め屋根からの雨水が自然と地面に浸透するようにします。またコンクリートのスラブが飛び出していることにより雨水の跳ね返りによって建物がよごれることを防いでいます。

建物もファションと同じで足元がきっちりきまっていると全体の雰囲気もよく見えるものです。

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模型をつくって問題をさがす

この写真は湖畔の別荘の軸組模型です。

実施設計の段階で事務所で作成し、立体的な問題や、梁の掛け方等を検証するために利用します。模型を作るためには図面ができてないと行けませんが設計段階では同時並行で作るので

図面を書く→模型を作る→図面を直す→模型を直す

の作業を相当数行ないます。

次に現場がスタートするとこの模型を利用して、建設会社の現場監督、棟梁、設備業者、電気業者といっしょに設計図ではみえないもっと細かい納まりを検討します。

具体的には柱と梁の接合部の納まりや接合部にとりつく金物を見えないように設置する方法や給排水経路です。平面的にはおさまっていても上下階を貫通するときに梁が邪魔をしたりする場合があるのでそういった問題点をあらかじめつぶしておきます。

現場で問題を発見するのと、あらかじめ発見するのでは雲泥の差があり、問題が先に見つかっていれば対処方法もいろいろと考えられます。設計者、施工者が問題をクリエイティブに解決するには?と知恵をしぼるためにもこういった模型は大変有効です。


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スパルタ地鎮祭

いよいよ着工となると地鎮祭です。お祭り好きという訳ではないですが、地鎮祭は個人的にかなり好きです。

式の中で

刈初(かりそめ)の儀

穿初(うがちぞめ)の儀

土均(つちならし)の儀

というものがあります。刈初(かりそめ)の儀はお施主様が、穿初(うがちぞめ)の儀は設計者が、土均(つちならし)の儀は建設会社の人が行ないます。そのときそれぞれ「鎌(かま)」「鋤(すき)」「鍬(くわ)」を使うのですがかけ声をかけて行ないます。

設計者の僕や建設会社の人達は地鎮祭を何度も経験しているのでやり方が分かっていますが、お施主様は初めての場合が多く前もってレクチャーをさせてもらっています。コツといってもとても簡単元気よく

「えいっ、えいっ、えいっ(最後は周囲に響き渡るぐらい大きな声で)」

と儀式の所作といっしょにかけ声をかけてもらいます。恥ずかしがりやのお施主様でも有無をいわさずとにかく大きな声を出してもらいます。そういう意味ではスパルタですね・・・

あと儀式のなかで何度か「2礼2拍手1礼」をする機会がありますがこれもかっこよくやるにはコツがあります。お手本は神主様なのですが、ちょっとしたことを気をつけるととたんにかっこ良くなるんです。これはここで書くのは恥ずかしいので僕にあったら聞いて下さい。


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地盤調査と地盤改良
湖畔の別荘は浜名湖に隣接する猪鼻湖の湖畔にあります。
今後の東海大震災時の津波のことなども考慮し、建物の高さをあげて建築しています。それに伴い地盤改良もコンクリートを撹拌して改良する「柱状改良」ではなく「鋼管杭」による構造にしています。
これによって万が一敷地が液状化した場合でも杭の下部が堅い地層(この敷地の場合は約20M下にあります)に支えられているため建物に被害がおきることはありません。
施工する前に施工計画書を提出してもらいチェックし、施工、そして施工結果報告書をうけとるという段階ですすみます。施工途中も現場チェックします。

上の写真のように鋼管杭の長さや、そのつなぎ部分の溶接のチェックなどをします。地盤改良工事がすむといよいよ基礎工事です。

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